粉末食品加工プラント向け一般的な包装機と選定ガイド

粉末食品加工の分野では、包装機の選定にあたっては、粉末の特性（流動性、かさ密度、吸湿性、空気含有量など）を考慮する必要があります（例：粉ミルクは吸湿しやすく、小麦粉は粉塵が多く、プロテインパウダーは流動性が高い）。また、生産能力、包装仕様、自動化の要件にも合致させる必要があります。以下は、加工工場で使用される一般的な包装機の種類で、主な機能と適用シナリオ別に分類されています。
I. 「包装仕様」別：小型袋包装機（1袋＜500g）
主に小売向けの小包装（例：粉ミルク、コーヒー粉、置き換えダイエット粉末、調味料粉末など）に使用されます。主な要件は「正確な計量、良好なシーリング、防塵」です。

II. 「包装仕様」別：中・大型包装機（1袋500g〜50kg）
主に原材料の流通と卸売グレードの包装（例：小麦粉、澱粉、プロテインパウダーの原材料、大容量粉ミルクなど）に使用されます。主な要件は「高い生産能力、安定した搬送、トンバッグ/大型織布バッグとの互換性」です。
1. 計量式自動包装機
「シングルホッパー」と「ダブルホッパー」のタイプに分けられます。電子計量センサーを介して充填量を正確に制御し、中・大型粉末包装の主流の設備です。

適用シナリオ：500g〜25kgの包装（例：25kgの小麦粉袋、10kgの粉ミルク原料袋）、流動性が良好または中程度の粉末に適しています。
主な利点：
高い計量精度（誤差：±0.2％〜0.5％）、包装重量のタッチスクリーン設定をサポート；
「目詰まり防止充填ポート」と「振動充填装置」を装備し、粉末の固化と詰まりを防止；
袋縫い機（熱シール/糸縫い）とラベリング機と連携して、「計量-充填-シーリング-ラベリング」の統合を実現できます。
サブタイプ：
シングルホッパー計量：中程度の生産能力（10〜30袋/分）に適しています；
ダブルホッパー計量：2つのホッパーを交互に充填し、生産能力を30〜60袋/分に向上させ、大容量の要件に適しています。
2. トンバッグ（フレキシブル中間バルクコンテナ、FIBC）包装機
「トンバッグ」包装（500kg〜1000kg）専用で、主に原材料の大量調達/納品に使用されます。

コア構造：大型ホッパー、定量計量システム、トンバッグ吊り下げ装置、および除塵システム（粉末は粉塵が発生しやすいため、パルス集塵機が必要です）が含まれます。
適用シナリオ：食品添加物粉末（例：マルトデキストリン、ビタミン粉末）およびバルク粉末原料（例：コーンスターチトンバッグ）。
主な特徴：充填ポートには、「エアブローアーチブレーキング装置」（空気流で固まった粉末を分解）が装備されており、スムーズな充填を保証します。
III. 「包装形態」別：特殊機能包装機
粉末食品の特別なニーズ（例：防湿、鮮度保持、精密な少量包装）のために設計されています。一般的なタイプは次のとおりです。
1. 真空粉末包装機
「充填」後に「真空ポンプ-熱シール」プロセスを追加して、空気と湿気を遮断し、吸湿性および酸化しやすい粉末の賞味期限を延ばします。

適用シナリオ：粉ミルク、プロバイオティクス粉末、置き換えダイエット粉末（小売り袋）、ナッツ粉末（酸化防止）。
技術的特徴：真空度は調整可能（超微粉末が吸い込まれるのを防ぐため）、シーリング温度はさまざまな包装袋材料（アルミ複合フィルム、PEフィルム）に適応しています。
2. 粉末充填機（ボトル/缶専用）
ボトル入りおよび缶入り粉末（例：粉ミルク缶、調味料粉末ボトル）用に設計されており、「精密充填と漏れ防止」に重点を置いています。

コアタイプ：
ピストン式充填機：ピストンの往復運動により粉末を定量的に吸引および排出します。中程度の粘度の粉末（例：ゴマペースト粉末）に適しています；
スクリュー式充填機（ボトル専用）：スクリュー充填に基づいて「ボトル口位置決め」と「オーバーフロー防止カバー」を追加して、粉末の飛散を防ぎます。丸型/角型ボトルに適しています。
代表的な用途：粉ミルク缶充填生産ライン、ボトル入りコショウ粉末/クミン粉末包装。
IV. 「自動化レベル」別：生産ラインレベルの設備
大規模な加工工場では、通常、複数のデバイスを統合して全プロセス自動化を実現する「統合生産ライン」を採用しています。主な設備には以下が含まれます。
1. 全自動粉末包装生産ライン
構成：自動供給機（スクリュー供給/負圧供給、手作業による接触を回避）→定量包装機（スクリュー/計量式）→自動シーリング機（熱シール/糸縫い）→金属探知機（粉末に金属異物が混入していないか検出）→インクジェットプリンター（製造日/バッチ番号を印字）→カートニングマシン。
用途：50袋/分以上の大規模生産（例：大規模製粉所、粉ミルク工場）。
2. 袋供給粉末包装機
特徴：「自動袋取り、袋開き、充填、シーリング」の機能を備えています。包装袋は事前に作られています（例：スタンドアップバッグ、ジッパーバッグ）。現場での袋作りが不要です。不規則な袋や高付加価値粉末（例：コラーゲンペプチド粉末、輸入コーヒー粉末）に適しています。
利点：柔軟な袋交換（さまざまなサイズの袋を金型交換で対応可能）、包装の外観がより洗練され、小売りの美的ニーズに対応します。
V. 選定のためのコアファクター
粉末の特性：
流動性が悪い/付着性がある（例：粉ミルク、漢方薬粉末）→スクリュー式マシンを優先；
流動性が良い/付着性がない（例：プロテインパウダー、ココアパウダー）→計量カップ式（小袋用）、計量式（中・大型用）；
超微粉末/粉塵が多い（例：抹茶粉末）→負圧式+除塵システム；
吸湿性/酸化しやすい（例：プロバイオティクス粉末）→真空包装機。
生産能力の要件：
少量（＜10袋/分）→半自動スクリュー包装機（手動袋供給）；
中量（10〜50袋/分）→全自動袋供給/スクリュー式包装機；
大量（＞50袋/分）→ダブルホッパー計量包装生産ライン。
コンプライアンス要件：
食品に接触する部品は、食品接触材料および製品の一般安全要件（GB 4806.1）に準拠し、304/316ステンレス鋼製である必要があります；
吸湿性粉末は、設備内の粉末の固化と劣化を防ぐために、除湿システムを装備する必要があります。

要約すると、粉末食品加工工場向けの包装機の選定は、「材料特性、生産能力、コンプライアンス要件を正確に一致させる」必要があります。小売り袋の場合、精度とシーリングが重視されます。中・大型の流通包装の場合、生産能力と安定性が重視されます。高付加価値製品の場合、包装の外観と自動化レベルの両方を考慮する必要があります。